農地売買・賃貸・農地バンク活用支援
高齢・離農・相続した農地を、次の農業者・農業法人へつなぎます。
高齢になり農業を続けるのが難しい。子どもは継がない。親から田畑を相続したが自分は農業をしていない。遠方に住んでいて管理できない。地域の農業法人にまとめて引き受けてほしい。——農地には「所有し続ける」「貸す」「売る」という選択肢がありますが、農地は買いたい人と売りたい人が合意すれば自由に売買できる土地ではありません。2026年8月現在、農林水産省は農地の売買・貸借について、農地法による農業委員会の許可、または農地バンクによる農用地利用集積等促進計画という制度を案内しています。やまと-農-は、農地を「処分する」のではなく、次に農業を行う人へつなぐという考え方で出口を設計します。
農林水産省に33年間勤務した農政分野の経験と、行政書士として12年間培ってきた行政手続の経験を生かし、国の農業政策・農地制度・各種支援制度と、実際の農業経営とを結び付けることを重視しています。国の制度を知ることと、現場でその制度を「使える形」にすることは別の問題です。
※ これまでに農業関係業務に取り組んできた地域です。地域ごとに異なる営農条件、行政機関・農業委員会等の実務を確認しながら支援します。
農地の売買・貸借には「受け手」が要ります
最初の論点は「いくらで売れるか」ではありません
農地を農地として売買・貸借する場合、誰がその農地を取得・利用するのかが重要です。農地法第3条では、取得後に農地を効率的に利用すること、周辺の農地利用へ支障を生じさせないことなど、取得者側について許可基準があります。法人が農地を所有する場合には、原則として農地所有適格法人である必要があります。農林水産省は2026年7月24日更新の農地制度資料でも、この売買・貸借制度と取得要件を改めて整理しています。
「売りたい所有者がいる」だけでは、農地売買は成立しません
農地として適切に利用できる次の担い手が必要です。だからこそ、売却先を探す前に、地域計画と地域の担い手を確認します。
「売る」「貸す」「農地バンク」を比べます
農地の出口は一つではありません
| 選択肢 | 所有権 | 向いているケース |
|---|---|---|
| 農地法第3条による売買 | 次の農業者へ移転 | 農地を手放したい。取得希望者が決まっている |
| 農地法第3条による貸借 | 所有者に残る | 特定の農業者へ直接貸したい |
| 農地バンクによる貸借 | 所有者に残る | 地域計画と連動して担い手へつなぎたい |
| 農地バンク関係制度による所有権移転 | 次の担い手等へ移転 | 地域の集積・集約化と一体で売買を進めたい |
| 転用を伴う売却 | 非農業用途へ | 農地法第5条、農振・都市計画等を別途検討 |
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現在の農業経営基盤強化促進法の基本要綱では、農地バンクが農用地利用集積等促進計画により、農地中間管理権や賃借権等の設定だけでなく所有権移転も行えることが明示されています。
「利用権設定で貸している」という言い方は、いま何を指すのか
これまで農家の間では「利用権設定で貸している」「市役所を通して貸している」という言い方が広く使われてきました。現在は、地域計画を基礎として農地バンクを活用した集積・集約化へ制度が移行しています。農地バンクは、2023年4月施行の改正農業経営基盤強化促進法で法定化された地域計画に基づき、所有者不明農地・遊休農地も含めて農地を借り受け、担い手等へ貸し付ける役割を担っています。
農地法第3条による売買・貸借は現在も利用できますので、「旧・利用権設定は今後どうすればよいのか」というご相談は、農地法第3条か、農地バンクかを個別に比較して答えを出します。
農地バンクは地域計画と一体で使います
単なる貸し手・借り手の紹介制度ではありません
農林水産省は、農地バンクが原則として市町村の地域計画に位置付けられた者に農地を貸し付ける仕組みとしています。地域計画外でも、農業委員会から促進計画の作成を要請するなど、一定の方法で農地バンクを活用できる場合があります。
出し手から見た農地バンクの利点
農地を貸す所有者には、「借り手と直接契約するのは不安」「賃料の管理が面倒」「将来、借り手が農業をやめたらどうなるのか」という心配があります。農地バンクでは、機構が所有者から借り受けて担い手等へ貸し付けるため、この不安が小さくなります。相談窓口は、市町村、農業委員会、各都道府県の農地バンクにあります。
- 複数筆をまとめて貸したい
- 離農後も農地として利用してほしい
- 地域の担い手に引き継ぎたい
こうした場合は、とくに有力な選択肢になります。
2026年4月からの税制措置
まとめて貸すと、固定資産税が3年間2分の1になる場合があります
地域計画ごとに「全部」を同一年に貸すことが条件です
2026年4月1日以降、地域計画ごとに所有する農地の全部について同一年に農地バンクへ貸し付け、10年以上の期間で貸し付けられた農地について、固定資産税を3年間2分の1とする措置があります。一部だけを貸す場合は対象になりません。
また、農用地区域内の農地を農地バンクの促進計画等により譲渡した場合には、一定の場合の譲渡所得特別控除、取得者側の登録免許税の軽減、不動産取得税の軽減といった措置もあります。農林水産省は2026年6月時点で、農地の相続・売買等に関する税制特例を体系的に案内しています。
※ 具体的な税務上の適用判定・税額計算は、税理士等の専門家と連携して確認します。すべての農地バンク貸付けに自動的に適用されるものではありません。
相続したけれど、農業をしない農地
「相続できた農地だから自由に売れる」わけではありません
親が農業をしていて、子が農地を相続したが、子は会社員で県外在住。農業をする予定はない。——このご相談では、相続による農地取得そのものと、その後に第三者へ売却・貸借する手続を分けて考える必要があります。農地法には相続等により農地の権利を取得した場合の第3条の3による農業委員会への届出制度があり、その後の第三者への売買・貸借は、改めて農地法や農地バンク等の制度を確認します。
「とりあえずそのまま」が、いちばん選択肢を減らします
草木が繁茂 → 耕作条件が悪化 → 周辺農地へ影響 → 借り手が見つかりにくくなる → 再生費用が増える。相続の時点で、現在の耕作者、地域計画、近隣農業者、農業法人、新規就農者、農地バンクを確認しておくことをおすすめします。
所有者不明になる前の対策が、いちばん効きます
相続登記等がされない状態が何世代も続くと、登記名義人が祖父・曽祖父のまま、相続人が多数、一部の所在が不明、という状態になります。現在は、所有者不明農地についてすべての相続人を探索することなく、一定の手続で農地バンクを通じて最長40年間利用できる仕組みがあります。ただし最も望ましいのは、所有者不明になる前に相続関係を整理し、次の利用者を決めておくことです。相続と農地の出口の整理は Ⅲ-(1) 農地・土地利用・継承支援 をご覧ください。
農地のマッチングは「農地」と「農業経営」をつなぐこと
土地と買手をつなぐだけの取引ではありません
一般的な不動産取引では、物件調査 → 売却条件の整理 → 買手探索 → 条件交渉 → 契約 → 決済・所有権移転という流れがあります。農地でも契約の基本は同じですが、これに加えて、農地法、地域計画、農地バンク、農振、現在の耕作者、水利、農道、土地改良区、利用状況の確認が入ります。
価格だけでなく「農業上の価値」を見ます
同じ1haでも、農業者にとっての価値は違います
まとまった1haと、10か所に分散した合計1haでは、利用価値がまったく異なります。次の条件も価格と同じくらい重要です。
- 大型農機が進入できるか
- 隣接農地と連続しているか
- 水利が確保できるか、排水条件はどうか
- 土壌・形状、現在の作付状況
- 既存の賃借権の有無
- 地域計画上の位置付け
eMAFF農地ナビでは、農振区分や市街化調整区域等の情報に加え、「貸したい」「農地中間管理機構へ貸したい」「売りたい」といった意向情報も確認できます。
※ 「筆ポリゴン」は権利関係や筆界を確定するものではなく、参考情報としての利用が前提です。境界や権利関係は、公図・登記事項証明書等で確認します。
売る場合・貸す場合の基本フロー
どちらも「農地の棚卸し」から始めます
農地を売却する場合
農地の棚卸し
所在地、地番、面積、所有者、現況を整理します。
権利関係の確認
登記、相続、賃借権、現在の耕作者を確認します。
農地制度の確認
地域計画、農振、農地バンクを確認します。
売却希望条件の整理
全部売却か一部売却か、貸付けとの比較も行います。
次の担い手候補の確認
近隣農業者、農業法人、新規就農者を当たります。
売買条件の調整
価格、引渡時期、作付けとの関係を詰めます。
権利移転の方法を選ぶ
農地法第3条か、促進計画等かを決めます。
売買契約・許可等
契約と行政手続を並行して進めます。
代金決済・所有権移転登記
登記は司法書士と連携します。
次の担い手が営農開始・規模拡大へ
受け手側の集積・集約化につながります。
農地を貸す場合
農林水産省は、地域計画外の区域でも、必要に応じて農業委員会から農地バンクへ促進計画の作成を要請するなどして活用できる場合があるとしています。
「全部売る」か「全部持ち続ける」かの二択ではありません
65歳で5haを所有し後継者がいない場合、たとえば自宅周辺1haは所有を継続、地域法人へ3haを農地バンクで貸付け、離れた1haは農業者へ売却、という組合せも考えられます。一筆ごとではなく、所有者の生活・相続・農地利用・地域農業をまとめて考えます。
転用目的で売りたい場合は別のルートです
「農地として売る」のと「住宅用地にするために売る」のは違います
農地を農地のまま売却する場合は、農地法第3条等が中心です。一方、転用目的で権利を移転する場合には農地法第5条を中心に、地域計画、農振除外、農地区分、都市計画、開発許可、盛土規制、道路・排水を確認する必要があります。
詳しくは Ⅰ-(3) B 農地法第4条・第5条転用支援 と Ⅰ-(3) D 開発許可・土地利用法令調整支援 をご覧ください。
農地の出口・マッチング診断
行政手続と不動産取引を、分断しません
| 分野 | 確認内容 |
|---|---|
| 所有者 | 高齢・離農・相続等の事情 |
| 農地 | 地番、面積、地目、現況 |
| 相続 | 名義、相続関係、未登記の有無 |
| 耕作者 | 現在の利用者 |
| 貸借 | 賃借権、使用貸借、既存契約 |
| 地域計画 | 目標地図、次の利用者 |
| 農振 | 青地・白地 |
| 利用条件 | 水利、農道、形状、連担性 |
| 所有者の希望 | 売却・貸付け・一部保有 |
| 次の担い手 | 農業者、農業法人、新規就農者 |
| 税務 | 売却・貸付け・相続等の検討 |
| 将来利用 | 農業を続けるか、転用か |
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農地は「行政法」と「取引実務」が交差する不動産です
農地法の許可だけを取っても売買は完成しません。逆に、売買契約だけを結んでも、必要な農地法上の手続を欠けば、目的どおりに権利を移転できない場合があります。やまと-農-は、農地法・農地バンク・地域計画・農振法・農業委員会・認定制度という行政手続の視点と、所有権・賃借権・物件調査・契約・引渡し・価格条件・相続共有関係という取引実務の視点を、あわせて整理します。
このようなご相談に対応します
- 高齢になり農業をやめたい
- 後継者がいない
- 田畑を売却したい
- 地域の農業法人へ譲りたい
- 農地を貸したい
- 農地バンクへ預けたい
- 旧・利用権設定が終了する
- 相続した農地をどうすればよいか分からない
- 県外に住んでいて管理できない
- 複数筆をまとめて整理したい
- 売却と貸付けのどちらが有利か
- 近隣農業者へ売りたい
- 新規就農者へつなぎたい
- 農機・施設も一緒に承継したい
- 将来の相続まで含めて整理したい
※ 個別の土地・取引について宅地建物取引業法の適用関係その他の法的取扱いを確認し、登記、税務、紛争性のある法律事務については、司法書士、税理士、弁護士等と役割を分担します。
料金
着手前に必ずお見積りを提示します
| 支援内容 | 報酬 |
|---|---|
| 農地の売却・貸付け 初期診断 | 個別見積 |
| 農地・権利関係調査 | 個別見積 |
| 農地法第3条許可支援 | 個別見積 |
| 農地バンク活用支援 | 個別見積 |
| 農地の売買・貸借契約関係支援 | 個別見積 |
| 複数筆・複数所有者の農地整理 | 個別見積 |
| 相続農地の出口戦略 | 個別見積 |
| 農地マッチング 総合支援 | 個別見積 |
| 農地+農業経営の承継 | 個別見積 |
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※ 表示金額はすべて税別です。農地の筆数、所有者・相続人の数、地域との調整の量によって作業量が大きく変わるため、初期診断のうえでお見積りします。初回相談は5,000円(税別/1時間)です。行政手数料等の実費は別途申し受けます。
よくあるご質問
Q1.農地は普通の土地のように売れますか?
Q2.農業をしていない人にも売れますか?
Q3.農地バンクは貸借だけですか?
Q4.地域計画に載っていないと、農地バンクを利用できませんか?
Q5.相続した農地を売却できますか?
Q6.農地バンクへ貸すと税金が安くなりますか?
Q7.相続人が多数で所有者が分からない農地でも活用できますか?
Q8.農地を住宅用地として売りたい場合も第3条ですか?
Q9.農地の価格も相談できますか?
Q10.農地だけでなく、農業経営全体を引き継いでもらえますか?
農地を「放置する前」に、次の担い手へつなぎませんか
売る・貸す・農地バンク・経営承継の中から、いちばん合う方法を整理します。
東京都江戸川区西葛西5-1-11
COCOハウス西葛西 9F
農地法第4条・第5条の転用について相談する
土地の所在地・地番、現在の所有者、予定用途、建物・施設の概要などがお分かりであればお知らせください。まだ農地を購入していない段階からのご相談をおすすめします。
初回相談は5,000円(税別/1時間)です。ご相談・お打ち合わせは面談とWEBミーティングのどちらでも承ります(農業分野では面談が大半です)。
お預かりした個人情報は、個人情報保護方針に基づき適切に管理します。
あわせてご覧ください
農地・土地利用・継承支援
相続・遊休農地・所有者不明農地から、農地の出口を整理します。
詳しく見る → Ⅲ 農業を次の世代につなぐ ─ (2)農業経営継承・第三者承継支援
農地だけでなく、技術・販路・従業員まで引き継ぐ場合はこちら。
詳しく見る → Ⅰ 農業を始める ─ (3) A農地取得・賃貸等支援
農地を受け取る側の手続。第3条と農地バンクを比較します。
詳しく見る →※ 掲載内容は2026年9月時点の情報を基礎としています。農地法、農業経営基盤強化促進法、農地中間管理事業の推進に関する法律、税制の特例等は改正されることがあり、運用は自治体によって異なります。個別の案件では、農地の所在地の市町村・農業委員会・農地バンクの最新の基準・運用を確認して進めます。
※ 農地法上の許可、農地バンクの促進計画の作成、売買・貸借の成立を保証するものではありません。
※ 税制特例の適用判定・税額計算、登記、紛争性のある法律事務については、税理士、司法書士、弁護士等と役割を分担します。宅地建物取引業法の適用関係は、個別の取引ごとに確認します。