内閣改造後、水田政策はどうなる?
― 令和9年産米 次に重要なのは「需要と価格」―
令和8年9月の内閣改造で、新しい農政体制がスタートしました。水田農業で気になるのは、「令和9年度からの水田政策は変わるのか」という点です。
結論からいえば、大きな方向は変わっていません。
簗農林水産大臣は9月18日の就任会見で、これまでの水田政策の骨格を引き継ぎ、今後、支援単価などの具体化を進める考えを示しました。
前回9月6日の農政コラムで紹介した「水田という土地」から「作物・収量・生産性・需要」へという政策転換は、引き続き進められます。

図1 内閣改造後も水田政策の方向は変わらない
令和9年産米、「作る量」だけではなく「需要」が重要に
新農相が強調したのが「需要に応じた生産」です。主食用米は需給を見ながら生産し、加工用米・米粉用米なども、それぞれの需要先と結び付けて考えることが重要になります。
これからは「何を作るか」だけでなく、「誰が必要としているものを作るか」という視点が一段と重要になります。

図2 令和9年産米 いま重要なのは需給と価格
もう一つのポイントは「いくらで売れるか」
肥料・燃料・機械・人件費などのコストが上昇する中、売れればよいだけでは農業を続けられません。
令和8年4月から始まった食料システム法では、国が販売価格を直接決めるのではなく、生産・流通などに必要な合理的な費用を考慮した取引を促す仕組みが導入されています。
水田経営では、①何を作るか、②どれだけ効率よく作るか、③誰に、いくらで売るか、を一体で考えることが重要になります。

図3 これからの水田経営 3つの確認
水田政策は「経営」を見る時代へ
令和9年度の具体的な支援単価は、まだ最終決定していません。しかし、政策の方向はかなり明確です。
水田政策 × 生産性 × 需要 × 価格形成
令和9年度は、単なる交付金制度の変更ではなく、「何を作れば支援されるか」から「どうすれば持続的に農業を続けられるか」へ、水田政策の考え方が変わる節目になりそうです。
今後、新たな水田政策の支援単価・対象作物・要件が明らかになれば、本コラムでも続報をお伝えします。
参考資料
農林水産省「簗農林水産大臣就任記者会見概要」(令和8年9月18日)
農林水産省「食料システム法/合理的な費用を考慮した価格形成」